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永山 弘さん (29歳/山口市)
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ちょっとした勇気が大きな可能性を生む。
「教え子にも骨髄移植のドナーになる過程をそのつど、話していたんですよ。そうしたら、私も登録したいという子もいてね…」。
永山さんはそう言って目を輝かせた。広島の私立中・高の生物の教員。現在、休職して母校の大学院で研究生をしている。
大学時代に同じ寮だった親しい先輩が白血病に冒され、「骨髄移植なら助かる」と聞かされたのがきっかけで、骨髄バンクに登録した。まだバンクの登録者が少ないころで、先輩はHLAの一致者が見つからないまま亡くなったという。
その一年後、大学を出て教員となっていた永山さんに骨髄液の提供先が見つかった。
「移植を希望しながら亡くなった先輩の分まで、他の人を助けられるなら…」。検査と進むうち、「必ず提供したい」との思いが強まった。学校の理解も得て、検査や入院については特別休暇にしてもらった。
しかし、当時、骨髄液提供の際の全身麻酔による事故の可能性が指摘されていたころ。
家族の反対もあった。自分自身、入院してから全身麻酔への不安が生まれた。しかし、手術後の身体への影響はまったくない。弟も、20歳になると同時に登録してくれた。
手術から一年たったころ、提供相手から手紙が来た。若い女性らしいその手紙には「いったんは死を考えていたが、希望が見えた」としるされていた。
「ちょっとした勇気が、見知らぬだれかの大きな可能性を生むことになる。生と死について考えるきっかけにもなる」。永山さんはそう考えている。
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