第1章
矢倉三人衆結成の巻

 ミニ団体戦は、東北の学生大会で唯一院生の参加が認められる大会である。
 そこで当初、私は「東北大院生」チ−ムの企画を考えた。しかしながら、その構想には重大な問題があった。「強すぎてつまらない」という非常にもっともな理由で日の目を見なかったのである。また、私は「中飛車三人衆」チームも、もくろんだのであるが、杉本、森、両氏の多忙のため、実現出来なかった。
 ある夜のこと、いつのまにか部室には太田、鈴木、藤田の三人しかいなかった。将棋部でも有数の麻雀好きとして知られるこの三人は、同時に将棋部でも有数の将棋好きである。普段、この三人は、お互い膨大な対局数をこなしており、大会では最も対局したくない相手である。三人が同じチ−ムにいれば、おたがいあたらずに済む。そうした安直な発想から、この夜「矢倉三人衆」チ−ムは結成された。

「矢倉三人衆」のチ−ム名は、大会前日に鈴木が発案したものである。この三人が、対外公式戦において、矢倉ではほぼ十割の勝率を誇る−−−というのは、嘘ではない。


解説:
 私が真に望んでいたのは「中飛車三人衆」チームである。狂暴な攻めの中飛車の杉本、両取りによるエンターテイメント性重視の森、徹底して逃げまくる藤田のトリオは是非実現したかった。

第6章?
決戦!水戸黄門


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