MGCガスガン M16シリーズのアレコレ


メカニズム & ファンクション

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月刊GUN誌から転載

■おおまかな構造は以下のとおり。
・アッパーレシーバー内に基本となるユニットを内蔵。
・ロアレシーバー内にトリガーメカ(放出バルブ開放メカ)・セミフル切り替えメカを内蔵。
・ストックパイプ内がメインのガスタンクとなっており、ロアレシーバー内のタンク前面にメイン放出バルブを設置、グリップ内にリキッドチャージガスの注入口があり、外部ソース・ガスボンベ直付けアダプター等と交換が可能。グリップ部とメインタンク間は外径4mmのホースで接続されており、伸縮ストックモデルでは外部に露出しているために、視覚的にマイナスポイントである。

接続ホース
高圧をかけると、この接合部分が破損する事も。
安全対策の一環と思われる。



■動作サイクルは以下の通り。

1:トリガーを引くと、カム(MGC部品名:シア)を介してストックパイプ前面の放出バルブが開放される。

2:ガスがユニット内に入ると圧力でノズル(MGC部品名:ブレットピース)が前進し、チャンバーにBB弾を送り込む。

3:同時に、シア(MGC部品名:シア・バー)によって後端で保持されているストライカーのスプリング(リコイルスプリング)が圧縮され、最大位置まで圧縮されるとシアが開放され、ストライカーが前進する。

4:前進したストライカーは、ユニット後端の第二の放出バルブ(MGC部品名:インパクトロッド)を叩き、ノズル前進用のガスを発射用ガスとして放出、BB弾が発射されるとユニット内圧が低下し、ノズル・ストライカーが後退、次弾の発射サイクルに入る。

これの繰り返しがフルオート、セミオートはストライカーの解放と同時にディスコネクターがトリガーとカムの関係を絶ち、ユニット内へのガスの流入が止まる。
余分なガスはストックパイプ前面の放出バルブと接続パイプ(プラグ)の接合部から排出される。(接合部はトリガーを引く力が加わっていないと気密されない)


安定動作の要点は、ノズルが前進しきった後にストライカーの解放が起きる事で、そのタイムラグが大きいほどBB弾の弾道は安定する。
タイムラグが少ないとチャンバー内でのBB弾保持位置が後ろ過ぎて、抜弾抵抗が増えてパワーダウンを起こす。
そのためには供給される圧力が設計時に想定されたものに近い状態である事が重要で、低圧ではストライカーの解放が起きず、高圧ではタイムラグが小さくなり弾道が乱れる。
さらに異常な高圧の場合は、ストックパイプ前面の放出バルブと接続パイプ(プラグ)の接合部から排出される。


ギミック的に面白い点は、ストライカースプリングの圧縮時にバレル上のガスチューブを模したガイドバーが前後動する事で、実銃ではありえない事であるが視覚的な面白さと、リコイル量の増大に貢献している。

パワーウェイト
インナーバレルに巻かれているスプリングによりウェイトが後退、機関のリセットとリコイルの発生を行う。

また、圧力不足時にストライカーのリリースに至らずユニットが硬直状態に陥った際には、ボルトフォワードアシストを押す事で機関のリセットが行える。

ボルト・チャージングハンドル・ボルトストップ等は完全にダミーで、リアリティにおいてはマイナスポイントである。

ボルト
ユニット後端の真鍮パーツが露出しており、視覚的にマイナス。
ポートカバーはモデルガンの流用のため、非常に良い造形である。
(実物通りかどうかは別として)

チャージングハンドル
ハンドルストッパーも一体成型で無可動。
内部でガスルートの一部となっている。



実射性能はガスの放出量と機関動作に必要な設定圧力で決定されており、過剰なパワーアップは困難である。
インナーバレル長はガス放出量の設定上最大の長さであり、全モデル共通となっている。
インナーバレルは、時代的に粗悪弾の使用による弾詰まりを警戒しており、内径はおそらく6.1〜6.15mm程度と思われる。
これを現在主流の6.03〜6.05mmに絞れば、かなりの初速向上が望めると思われる。
(初代のM723で初速50m/s(0.2gBB弾使用)前後、最終型のM725で初速70m/s(0.2gBB弾使用)前後となっているので、バレル内径の変更で+5m/s程度となると予測する)

なお、ホップアップが採用されていないため、有効射程は10m程度、最大でも25m程度となる。

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