MGC H&K P7M13


ようやく使える状態になりました。


改修点1:給弾不良
何故か手にする固体のすべてが給弾不良が多発するものでした。
原因はマガジンリップの形状(実際の原因はフォロアー先端の形状)と、ラバーチャンバー(フィーディングランプ)の形状と判断しました。

当時MGCの協力会社であったKSCのプレス技術の結晶ともいえるマガジンケースですが、マガジンリップまで一体で製作したため、給弾時に障害となる事があります。
実際の原因は、マガジンフォロアーがダブルフィード用に先端に段差が付いたものになっており、その下段側の列に限って、BB弾をマガジンリップに押し付けるテンションが外側に向いてしまい、給弾不良の原因となります。
発射・ジャム・発射・ジャムと、交互に問題が起きる場合は間違いなくそれが原因です。

解消方法ですが、ジャムが起きる側のリップ内側の角を軽く削る(磨く)事がもっとも容易です。
フォロアー先端の形状変更は、まだ試していません。


ラバーチャンバーの後部の形状が丸くえぐれた様になっていますが、底(奥)に向かって角度が浅くなっていくため、給弾ノズルとチャンバー底周辺の間にBB弾が挟まってジャムを起こす事があります。

チャンバー底のエッジ部分を紙ヤスリ等で面取りして、すり鉢状に近づけてやれば解消されますが、面取りの深さ加減によっては気密が落ち、パワーダウンする事があります。
ノズルの入り込む深さをよく確かめて、慎重に加工しましょう。


さらに、今回KM企画のG17用SCSバレルを組み込んだのですが、ノーマルのラバーチャンバーが使えなくなるので、同様の形状に樹脂パイプを削ってSCS後部の形状に合うようにしました。
(P7用のSCSバレルって発売されていたのでしょうか?)
ラバーチャンバー後部(=フィーディングランプ)が硬質の樹脂となる事でBB弾のひっかかりが無くなり、前述のジャムはみられなくなります。

SCSバレルを装着したおかげで可変ホップとなり、アウターバレル先端に14mm正ネジが切られているので、サイレンサー等のオプションの装着が可能となりました。

飛距離が伸びてサバイバルゲームでも充分に使えるようになり、トレーサー等の装着が可能になった事で夜間の弾道確認が出来る様になりました。
改修点2:スクィーズコッカーの確実化
大半の使い込まれた個体は、ココが駄目になっていると思います。
使い込まれた中古では完全にすり減ってしまい、機能しなくなっている場合が多いのですが、程度の良いものは少々の調整で良くなります。

具体的にどう調子が良くないかというと、
「コッカーが最後まで握りこめない」
「握った後のコッカーが元に戻らない」
「コッカーの動きは問題無いが、スライドストップがかからない」
「コッカーの動きは問題無いが、スライドストップが解除できない」
といった状態になっていると思います。


自分も長らく悩んでいたのですが、知人のMustang氏がむげんの店員さんに調整法を伝授され、それを参考に調整して見事に解消できました。
マリオ偉い!

具体的な加工法ですが、パーツ:22「スクイズコッカー」と21:「ロッカー」の接点を片刃のナイフの様に研ぎます。
*22は表側、21は裏側を研ぎます。両面を研いではいけません。


この部品の関係をよく観察すれば自ずと理解できると思いますが、コッカーを握り込んだ際に部品の接する部分の断面(緑線の部分)は平面に、コッカーが戻る際に接する部分(赤で示す部分)を研ぎます。
それぞれの接点の頂点付近の尖った部分は、平面の方を優先します。
ただし、微妙にアールを付けていないと、部品の接続が解除されずに、スライドストップが機能しなくなります。


ここに平面が残っていないと、スライドストップの解除ができなくなります。

この加工をした後、21:ロッカーの根元付近にある折り曲げ線を基準にして、折り曲げ線のある方向(外側)に曲げて微調整をします。


ほんのわずかの曲げでかなりの影響が出ますのでご注意を。

当然ですが、新品状態で正常に機能している場合は加工の必要はありません。
改修点?:サビ止め
手に直接触れる部分のため、スクイズコッカーの表面が異常にサビやすいです。
サビてしまったら、スチールウールでサビを落とした後に黒染めをしなおして、サビ止めとしてつや消しのクリア塗料を吹き付けておくと良いでしょう。
サビ止めの化学処理が行えるなら、そうしたい部分です。

中古で入手した一丁には、ラバーコートスプレーが薄く吹き付けてありました。

P7のトップに戻る