NEON GENESIS
EVANGELION
二人の希望
written by 流れる音の流れ星
第壱話
−本当の気持ち−
まただ・・・1ヶ月に1回は必ず思うこと・・・
ドイツのある墓地でママの葬儀が行われている
あたしは真っ直ぐ目をお墓に向けず何処かを見つめる
そしたら目の前に中年女があたしにこんなことを
語りかける
(偉いのね、アスカちゃん。いいのよ、我慢しなくても)
(いいの。私は泣かない。私は自分で考えるの)
・・・・・
・・・・・
「聞こえるアスカ?」
「・・・」
そうだ今あたしはシンクロテストの真っ最中だったんだ・・
・・なんでこんな時にあんなことを考えるのよ・・
モニターを見つめながらマヤがアスカを心配しているのを
よそにリツコが
「困ったわね、この余裕がない時に・・・・やはりレイの
零号機を優先しましょう、今は同時に修理をしてる暇はな
いからね・・・」
夜・・・夕食時・・・
長い長い重苦しい時を壊したのはシンジだった
「ねえ、アスカ」
「・・・ん、なに?」
そのやり取りを見つめるミサト
「久しぶりに家族3人集まったから今日は腕に寄りを掛け
て作ったご飯だけど・・・アスカの口には合わなかった?」
「ふっ、そんなにあたしマズそうに食べてる?」
目を閉じながら寂しそうに微笑むアスカ
僕にはそう見えた・・・
「いや、マズそうにじゃないけど・・・ただ」
「ただ・・どうしたの?」
「なにか、悩み事があるのかなって思って・・・」
「そんなにあたしの顔、悩んでそう?」
「うん・・・その・・あの・・・悩み事があるのなら僕が
相談に乗るけど・・・でも僕に言っても解決はしないけど
少しは気が楽になるんじゃないかな?」
「バカシンジは本当に心配症なんだから・・・あたしは大
丈夫よ・・・」
「・・・・・ごきゅ」
ミサトはず〜っと2人のやり取りをビールを口に付けなが
ら静かに見つめる・・・このギクシャクした関係が治るの
を期待して
「・・・やっぱ僕じゃ役不足かな・・・」
「そ、そんなことないわよ」
その時・・・ぷるるるるぷるるるる
「あっ、僕が出るよっ・・・はい葛城です・・・・・はい
・・・・・ええ・・・あ、はい・・・」
シンジが電話片手にアスカに近寄る
「はいアスカ、ドイツから国際電話、お母さんからだよ」
「ママから・・・かして」
その時、僕はアスカが知らない言葉で話ているのを見つめ
ながら
「知らない言葉・・・何を話してるんだろう?」
少ししてから・・・ぴっ
「ふう」
一つ肩で息をするアスカに
「いいな、お母さんと話せて」
「そう、でも表層的なものよホントの母親じゃないしね」
それを聞いたシンジは申し訳なさそうに
「ごめんアスカなにか辛いこと思い出させちゃった?」
そんなすまなさそうにしているシンジを見て少し優しい口
調で・・・(本当は罵倒したかったがシンジのその顔を見
て冷めたようだ)
「別にいいわよ・・・ご馳走様・・・美味しかったよ」
「あ、アスカ待って」
「ん」
「はい、何時もアスカ食後にこれ食べてたでしょ」
そう言ってシンジがアスカに渡したのは
ポテトチップス(通称ポテチ)コンソメ味
「・・・あ、ありがとっ、バカシンジ」
そう言い自分の部屋に戻るアスカ
「シンジくん、ありがとね」
その時沈黙を守っていたミサトがシンジに語る
「へ、何がですか?」
「アスカ・・・食前と食後で大分顔が和らいだわ・・・シ
ンジくんのお蔭ね・・・」
「え、その、あの、えっと・・・」
「シンジくん少し顔赤いわよ・・・」
「あ、ぼ、僕、後片付けしてきますっ」
食器をキッチンに持っていくシンジの後ろ姿を見つめ
一つため息をするミサト・・・
「・・・はぁ・・・加持くん・・・」
あ、駄目また涙が・・・
「シンジ・・・くん・・部屋に戻るから、仕事の残りをし
なくちゃ」
そしてバラバラになった3人・・・
後片付けも終わり何となくテレビを付けていたシンジだが
見ていても何も面白くなくすぐに電源を切り自分の部屋に
行く
アスカの部屋・・・
アスカはベッドに腰掛け、宙を見つめながらポテチをパリ
パリ食べている
「まさかバカシンジからあんなことを言われるなんてね」
辛いこと思い出させちゃった?・・・図星だ
本当はあんなこと言われなければ罵倒するはずだったんだ
けどな・・・
シンジがいいな、お母さんと話せてって言った時あたしは
本当のママを思いだし少し悲しかった・・・
でもシンジのあの悲しそうに謝った顔を見た瞬間そんなの
吹き飛んだ・・・
そう言えばシンジのママはどんな人だったんだろう・・・
多分シンジのあの悲しそうな顔は自分の母親のことを思い
だしたんだろう・・・か?
その時向かい部屋・・・シンジの部屋から
聞いたことのある音色が聞こえてくる
「これは・・・」
そう言いアスカはなんの躊躇(ちゅうちょ)もせずにシン
ジの部屋に向かう
コンコン
中で綺麗な音色が消え変わりにシンジの声が聞こえてきた
「はい?」
「あたし・・・入ってもいい?」
「うん、入ってよ」
シンジはアスカにチェロの音楽を聞かせればこちらに来る
と思い奏でていた・・・予想は的中
スーーー
中に入るとチェロを構えたシンジが椅子に座っている
「ベッドに座ってよ」
「ええ」
シンジはアスカが自分のベッドに腰掛けるのを見ると
静かにチェロを奏でるのであった
そう母親の命日の時に演奏したあの曲
その曲を静かに目を閉じ耳を曲に傾けるアスカ
この曲を聞くと心が安らぐ
他の奴がこれを弾いてもあたしの心は絶対安らがない
あ〜〜・・・落ち着く・・・
そしてシンジは3曲位いろいろな曲を奏で終わるとアスカ
に喋りかける
「僕のチェロにはいい思い出がなかったんだよ、アスカ」
「・・・ええ」
一瞬あたしはシンジとファーストキスをした夜のことを思
い出した・・・
あの時あたしはシンジとキスをしてから・・・うがいした
のよね、今思うとあの時のあの行動は駄目だったわね
すこしシンジが可愛そうだった、それと同時に後悔・・・
「チェロを始めた時は何かが変わる・・・そんなことを思
い浮かべてやってたんだよ」
「なんで?」
「多分現実から逃げてたんだと思う・・・だからチェロを
し終わった後は何時も自分が嫌だった」
「うん」
「でも、そんなことがある日を堺にどっかにいっちゃた」
「ある日って何時?」
「・・・母さんの命日の日だよ・・・あの時始めてアスカ
が僕の弾くチェロを聞いてた時だよ」
「あっ、あの時・・・あの時デートから帰って玄関に入る
と綺麗で心が休まる音色が聞こえたから、ず〜っとあんた
の後ろから聞いてたのよ、その後あんたの奏でる曲が終わ
り拍手したのよね」
「うん、僕はその時の拍手がもの凄く嬉しかったよ・・・
そのアスカがあの時拍手をしてくれなかったら何時まで
たってもチェロのことを本当に好きになれなかったと思う
、だからアスカにはすごく感謝してる、僕に素晴らしいこ
とを教えてくれたんだからね」
「はは、そうかしらっ」
アスカが可愛らしく顔をクシャッとさせ笑う
「アスカ・・・やっと笑ってくれたね」
「え、なな、なによぉ?」
そしてシンジは
「それでねアスカ」
「んん、なに?」
「僕ねさっきアスカに相談に乗ろうかなんていったけど」
「あ〜、あれね大丈夫よあたしは」
「いやちがうんだ、本当は僕が聞いてほしかったんだ」
そして食事時にみせたあの悲しい顔をアスカに向けるのだ
った
「なにか・・あったのシンジ・・・?」
「聞いてくれる?」
「ええ、あたしでよければ」
「ありがとう」
そしてシンジは自分が初号機に取り込まれた時の体験を
静かにゆっくりアスカに語るのだった
第壱話おわり
次回ー悲しい真実ー
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どうでしたか?僕の初めてのヘナチョコな小説は
僕はかなりびびっています
罵倒とか此処はちょっと変やったよ
とかの報告が欲しいかも・・・
そういう物を貰って更にうまくなってやろうと思います
おわり
こう言うコメントで良いのかな?
創さんのこめんと
久しぶりの投稿をいただきました。
流れる音の流れ星さんです。ありがとうございました!さて、今回の作品は連載ものです。内容的にはエヴァ本編の弐拾弐話からの分岐物だそう
です。御自分のコメントにもあるように、これが処女作とのこと。
ぜひ感想をお願いします。
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