NEON GENESIS
EVANGELION
二人の希望
written by 流れる星の流れ星
第弐話
−悲しい真実−
夜10時
シンジの部屋・・・
シンジは何かを決意しあの時の初号機に取り込まれた
ことをアスカに語るのだった
「僕がねジオフロントに侵入してきた使徒と戦った時ね…
…後ちょっとって時に内部電源が切れちゃったんだ」
「その話ならあたしも聞いたわ・・・」
アスカは自分が不様な負けかたをしたことを思い出すが、い
たって普通に振る舞う
「使徒が初号機の胸の辺りを何回も何回も攻撃してくるん
だ・・・。その内僕がのるエントリープラグにヒビが出てき
て、僕は焦った・・・。何度も動けっ動けって言いながらイ
ンダクションレバーを引き続けたよ・・・。それで最後に僕
はこう言ったんだ。今動かなきゃ、今やらなきゃ、みんな
死んじゃうんだ、もうそんなのやなんだよっ、だから動い
てよっ!そう叫んだらっ……」
「ええ・・・」
シンジは今にも泣きそうだったが、そんな顔を1つもせず
に澄ました顔でアスカに語る
「エヴァから心臓の音が聞こえてきたんだよ、その後にエ
ヴァが再起動し・・・その直後かな僕が消えたのは」
アスカは驚きの顔で
「シンジ・・・あんた自分が消えるとこ見えたの?」
「少し・・・本当に少しだけね」
「あんたあの時のシンクロ率しってる?」
「うんん、聞いてない」
「シンクロ率400%」
「よっ、400%・・・」
「リツコが言ってたシンクロ率が400を越えるとエヴァ
に取り込まれるって・・・」
「うん、せいぜい350以下のほうが良いかもね」
「ええ・・・それであんた初号機に取り込まれてからどう
なったの」
「えっと、そうだったね、僕は初号機に取り込まれた後、
意識だけがあるんだ、そして僕の記憶が頭の中に現れて入
っくるんだ・・・」
「どんな記憶?」
「僕がいままでで出会った人たちが」
「あたしも?」
「うん、アスカもそして一通り僕の知ってる人たちが出て
きた後に敵が出てきたよ」
「敵・・・使徒のこと」
敵と聞いてあたしは使徒を思い浮かべたが
シンジの敵は・・・
「ううん、ちがう・・・父さんだ」
「・・・」
「父さんは僕を捨て、そして何年か後に又僕を拾い、エヴ
ァに乗せられて色々あったよ、トウジを殺させようとした
・・・僕は父さんを殺したいほど憎かった・・・綾波がい
るから僕は捨てられたんだ・・・でもいろんなことを考え
ていたら大切なものを思いだしたんだ」
「大切なもの?」
「僕の母さんのことだよ」
「ママ・・・あたしもシンジのお母さんのこと聞きたかっ
たのよね」
「そうなの?でも少ししか思い出せなかったからあまり期
待しないでね」
「え、ええ」
以前シンジはアスカに悟られずに悲しい思いでを話す
「2004年だったかな、何処かの実験所でエヴァの機動
実験でね」
「・・・」
「冬月副指令がいたなそれとリツコさんに似た人と父さん
・・・しばらくして副指令が父さんに何か喋ってるんだ。そ
の後に母さんの声が・・・はっきり言って母さんのことは
声しか覚えてないんだよ」
「で、お母さんはなんて言ったの」
「母さんは・・・」
その瞬間シンジの顔が例え様のない悲しい顔になるのだっ
た
「母さんはこんなことを言ったんだ・・・この子には明る
い未来を見せてやりたいんです・・・だって、その結果母
さんはエヴァに取り込まれたんだよね・・・・アハハハハ
ッ、笑っちゃうね・・・なにが、あ、明るい未来だよ・・
・そんなものカケラ程しかないよ!!・・・」
やだ・・・シンジが恐い、お願いだから落ち着いて
「・・・もういいわよ、話さないで・・・」
シンジは泣きながら狂ったように笑う・・・
「ははははは!なにがよくやったなシンジだよ!僕はそん
なことを言われたいが為にエヴァに乗ってたんだよっ!」
「シンジもういいわよ」
「トウジの時だってそうだ、あの時僕がちゃんとトウジを
助けていたら・・トウジの足は無くならずにすんだんだ!
・・・サイテーだ僕ってやさしさのカケラもないんだっ」
「やめてよ・・・」
「アハハハハッ、ミサトさんの言う通りだよ!みんなの顔
色を伺ってばかりの臆病物なんだっ!」
「おねがい・・・」
もう、何がなんだか分からない・・・もう、どうだって良
い・・自分を傷つけたって何もならないんだ
「それに僕はもっとひどいことをしてるんだよアスカぁ
・・・アスカのことを思い浮かべて僕はアスカを汚してる
んだっ・・・サイテーだろっ?!」
「シンジっ!」
パァチン!
アスカがベッドから離れシンジの頬に平手打ちを
放った
その一瞬でシンジは正気に戻る・・・その途端、目から大
粒の涙がいくつも流れ出す様にシンジは泣きじゃくる
アスカはそんなシンジを抱き締める
ギュッ
「シンジぃ!、なんでそんなに自分を傷つけるのよっ!」
「ぐ・・・うぅぅ・・・ぐすっ・・っぅぅうっ・・」
「なんでもっと自分を大切にしないのよっ!シンジは確か
に捨てられたわ!でも又拾われて・・・そんな悲しいこと
もあったけどその代わりにシンジが得た物ってな
によっ!」
「うぐっ・・・ぐすっ・・・新しい家族・・・」
「そう新しい家族よ・・・ほかには?」
「アスカに逢えたこと・・・トウジ・ケンスケ・洞木さん
に逢えたこと・・・」
「うんあたしをさきにしてくれてありがとっ・・・シンジ
が得た物は全てあんたのお母さんとお父さんのお蔭なのよ
、その2人がいなくちゃあんたは此処にはいなかったのよ
・・・此処にあんたが存在することだけでもお母さんとお
父さんに感謝しなくちゃ・・・」
「・・・うん」
「あたしもシンジのお母さんとお父さんには感謝してるわ
よ・・・」
「え、なんで?」
「・・・鈍感よね〜シンジは・・・まず最初にあんたを産
んでくれたこと・・・」
「うん、次は?」
「あんたを拾ってくれたこと・・・その結果あたしとシン
ジは家族になったんじゃない」
「ミサトさんもね」
「はは、そうだったわね」
「はは」
「シンジあたしと約束して」
「うん」
「まず、最初に自分を傷つけないこと・・・次にそんなに
思い詰める前にあたしに相談しなさい、食事の時あんたこ
んなこといったでしょ 解決はしないけど気が楽になるっ
て・・・」
「うん・・・大分気が楽になったよ・・・僕は何時も気づ
くのが遅いんだよ」
「まっそりゃそうでしょうね、バカシンジなんだから」
「あ、それは無いよ〜」
「よしっ!もういいわねっ」
そう言うとシンジを抱き締めてた手を離す
「ありがとうアスカ・・・何だか勇気が出てくるよ」
「ほぉ〜んと感謝しなさいよね・・・そうだ今度ネルフの
社員食堂でなんかおごりなさいよっ」
「えっ?・・ま、まあそうだな、二千円までなら・・・」
すこし苦笑いしながら答える
「よっ、太っ腹ねっバカシンジッ、それじゃ、あたし戻る
わよ」
「あ、まってあと15分だけ此処に居て」
「ん、い、いいわよ」
あたしはもう一度シンジのベッドに座る
「最後に言いたいことがあるんだ」
「え、ええ・・・」
「母さんのことなんだけど」
「ん、お母さんのこと?」
さっきとは全然ちがう微笑んだ顔でシンジは
「僕の母さんはね、エヴァに取り込まれたって言ったでし
ょ」
「ええ」
「母さんを取り込んだエヴァは多分初号機かもしれない・
・・いや初号機だね」
「へっ?、なんで」
「えとね・・・え〜と・・・そうだ僕が初めてエヴァに乗
った時・・・その時暴走する前にね、母さんを感じたんだ」
「ええ」
「それと第12使徒に取り込まれた時にも確かに母さんが
いた・・・見守っていた・・・それでまた暴走だったっけ
?」
その時の恐ろしい雄叫びを思い出すアスカ
「ええ」
「・・・エントリープラグの中って何か落ち着かない?」
「ええ、そう言えばそうね」
「だから何となく母さんの心はエヴァに残っているんじゃ
ないかな?」
「・・・それじゃ、あたしの乗る弐号機にはあたしのママ
がいるかもしれない・・・」
「え?アスカのお母さんもエヴァの実験で・・・?」
「・・・ええ、あたしのママもね、あんたのお母さんと同
じよ。・・・ただ身体だけ戻ってきたのよ・・・」
「心だけがエヴァに取り込まれたの?」
「考えたくなかった・・・でもシンジの言うことが本当だ
ったらそうかもしれない・・・弐号機にはママがいるかも
・・・」
「弐号機と・・・お母さんと話しながらシンクロしたら思
いっ切りシンクロ率が上がるかもね」
「そうかもね・・・やってみようかしら」
「もし、上がったらアスカが一番になれるかも」
「ふふ、別にもう気にしてないわよ・・・シンジの相談聞
いてたら・・・別に二番でも三番でもいいわよ・・・・・
あ、もうこんな時間・・・そろそろ寝る用意しなくちゃ」
「あ、本当だもう12時すぎてるよ・・・」
「じゃ、あたし寝にいくわ」
そう言いアスカはふすまを開けようと手をかけた時
シンジがアスカを後ろから抱き締めた
「あっ・・シンジ」
アスカは抵抗もせずにシンジに身をゆだねる
「アスカ・・・今日は本当にありがとう」
「いいわよ、お互い自分の過去を話せたし・・・ていって
もあたしは少ししか言ってないけどね」
「少しアスカのことが聞けて僕はうれしいよ」
「あたしもうれしいわ」
「おやすみアスカ・・・」
シンジはゆっくりとアスカを離す・・・
「ええ、また明日ね、おやすみ」
アスカはそう言うとシンジの部屋から出ていく
アスカの部屋・・・
アスカは少し顔を朱に染め考える
「エヴァにはママの心があるか・・・ママ・・・」
第弐話おわり
次回ーココロの落ち着きー
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お疲れ様でしたっ
シンジがくるっちゃいましたが
アスカが正気に戻させてくれた
やっぱり小説は面白いですね
自分のヘナ小説でも
思ったものが書けるから
いいですね
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