NEON GENESIS

EVANGELION

二人の希望 written by 流れる星の流れ星

 

 

第参話

−ココロの落ち着き−

 

 

 

 

 

 

葛城家の朝はシンジの朝食の準備で始まる

今日のシンジはとにかく絶好調だった

それもそのはず、アスカに自分を・・・衝動的だが

自分の事を包み隠さずに話してしまい、

(言っても良かったのか分からない言葉もあったが)

何処か吹っ切れてる様だ

 

「いつか♪この手はきっと♪翼になって♪希望の空へ♪」

 

今日の朝食はっと・・・パン・ハムエッグ・サラダと昨日

の残り物・・・はは、昨日みんなが久々に集まったから嬉

しくて作りすぎたんだ、けど朝からビーフシチューって良

いのかな?

 

「さ、ミサトさんとアスカを起こさなきゃ」

キッチンを出てそのままミサトの部屋までに歩み寄る

コンコン

「ミサトさ〜ん、朝ですよ〜」

シ〜〜〜ン

「あれ?・・・ミサトさん、開けますよ?良いですね?」

シ〜〜〜ン

フスマに手を掛けスゥっと静かに開ける

「・・・居ない、本部かな・・・朝食三人分作ったのに、

ミサトさんも忙しい人だな」

 

シンジはミサトの部屋のフスマを閉めて、今度はアスカの

部屋に向かう

「アスカ〜、朝だよ〜」

「・・・うぐ・・・シ、シンジ・・た、助けて」

「アスカ!?どうしたのっ!あ、開けるよっ?!」

「は、早く・・・来て・・・ぅぁっ」

 

アスカの苦しむ声を聞き、驚くシンジは素早くフスマを開

けベッドで身体をくるめながら時折ガクッと動かすアスカ

に近づく

「ア、アスカっ!どうしたのっ?!」

「お、お腹が痛いの・・・つっ!」

「ぼ、僕っ、どうしたらいいっ?!」

「ぐぐぐ・・・痛み止めの薬・・・ちょうだい・・・」

「い、痛み止めだねっ、分かったっ!」

 

ドタドタとリビングに戻り、薬を探し・・・で、またドタ

ドタと走りアスカの部屋にやってきた、しかも何故かシン

ジは茶碗に三口位のご飯を持っていた。

「つぅ・・・な、何でご飯なんか持ってくるのよ?」

「そ、それは、お腹に何にも入れずに薬を飲むと胃が荒れ

るからだよ・・・だからアスカ苦しいだろうけど、一口で

も良いから食べてくれない?」

「・・・うん、分かった・・・でも起きれないから口に入

れてもらえない?」

「うん・・・じゃ、あ〜〜ん」

 

と、シンジは持ってきたご飯をハシで取り、アスカの口に

持っていく

「うぅ・・・あ〜〜ん・・・モグモグ」

「・・・大丈夫?」

「つ、辛い・・・最悪よ・・・くっっ!」

アスカに三口全てを食べさせ次は薬を飲ます・・・

「アスカ、僕が起こしてあげるから薬を飲んで」

「ええ、寝たままじゃ、飲めないからね・・・・う」

と、言いアスカのベッドに膝を置きゆ〜〜っくりと身体を

起こす

「いたたた・・・ううぅぅ、も〜、痛いぃ」

「・・・よっと、はいアスカ、薬だよ」

ぬるめのお湯と薬をアスカの口に持っていく

 

「ひひゅひょうはひ」(水ちょうだい)

「はい、こぼしたらごめんね」

ぬるめのお湯が入ったコップの水をアスカに飲ます

「こくこく・・・ふぅ・・・苦し」

「アスカ、もう少し寝ときなよ、そのうち薬が効き出すか

ら」

「シンジ・・・・・・お腹、さすって・・・」

「はぁ??」

 

 

シンジは突然のアスカのお腹さすって、に脳はまだ理解出

来ないようだ・・・

「ア、アスカ、今なんて言ったの?」

「だ、だだだ、だからお腹をさすってほしいの」

「そ、そそそうすると痛みが和らぐの?」

「う、うん」

「・・・分かった・・・どこらへんかな?」

と、言いアスカをもう一度ベッドに寝かす、

「おへそらへんよ・・・」

「うん・・・余計痛くなったら言ってね」

フトンの中にシンジが少し恥ずかしながら手を入れていく

「う〜〜ん?・・・此処らへんかな?」

「バッ、バカ、そ、そこは胸よっ!あんたわざとしてるで

しょっ!」

「ごぁ?!ご、ごめんっ!もっと下だねっ!?」

「手、貸して・・・あたしが持っていく・・・ほら此処よ

「あ?あ〜、此処ね、じゃ、痛かったら言ってね」

「うん・・・」

 

シンジはゆっくりとアスカのお腹をさすっていく

「うぅ〜〜・・・痛みが和らぐ〜〜」

シンジの手は暖かで余計腹の痛みを和らげるらしい

「こ、こういうのは人にやってもらう方が良いのよっ」

と、窓の方に顔を向けながら言うと説得力が無い・・・

「あ、何となく分かるよそれ、例えで言うと人に背中をか

いてもらうと結構気持ち良い・・・とか」

「ぷっ、くははっ・・・がは!?・・・笑わせないでよ、

生理で痛いんだから・・・あっ!?」

 

シンジはアスカの腹痛が生理によるものだと知り、何とな

くやりずらくなる

「ア、アスカ、生理だったの?」

「え、ええ、そうよ・・・・」

「ア、アスカ、目を閉じてなよ・・・その内また眠たくな

るから、その方が良いでしょ?」

「う、うん・・・じゃ、寝るわ」

「うん、僕もずっといるから・・・ね」

「ええ」

と、アスカは静かに目を閉じ始める、そして15分が過ぎ

薬の副作用で眠りの世界に突入したアスカは小さな寝息と

共に気持ちよさそうな顔で微笑んでいた

 

 

そう言えばアスカの寝顔ってこれで二回目だな・・・

あの時は悲しい寝顔だったな・・・

「ママ・・・かっ」

アスカがあの時なんでママと言ったのか昨日の話しで分か

った・・・僕なんかまだ良い方だよ・・・悲しみが一括で

来てるからね、それに比べてアスカは可哀相だよ

エヴァから助かっても心が無いんじゃ、辛いよ・・・

アスカはよく此処まで耐えたと思う・・・強いなアスカは

 

「・・・可愛い寝顔だなって、何を言ってるんだ?僕は」

 

今は安心してるのかな?・・・微笑んでるからね、きっと

そうだよ昨日の話しで少し僕等のお互いの見方が変わった

のかな?・・・そうでなければ僕はこの部屋にいるはずな

いからね、嬉しいなアスカに部屋に入れてもらって

「・・・ぉぁ〜〜あ、何だか僕も眠たくなってきた」

 

で、結局シンジは前屈みになりアスカのお腹の側で寝てし

まった

 

 

 

 

二時間後

「・・・ん?・・んん〜〜〜んっ・・・あ、そうかあたし

寝てたんだ、シンジ・・・シンジ?あれ?・・・ふふ、シ

ンジも寝ちゃたんだぁ・・・・・結構可愛い顔で寝るじゃ

ない」

 

二人共同じ様な事を言っている・・・

「さて、お風呂に入ろうかな・・・って、ん?!や、やば

っ、ト、トイレっ!!」

と、言いながら凄い早さでバスタオルを持って風呂場に向

かう

 

 

 

 

ゴボゴボ、ジャァァァァアア

ガチャ・・・バタン

「あ、危なかった・・・もう最悪〜〜・・・」

って、呟きながら着ている服・下着を全て洗濯機に入れる

「スイッチオンっと・・・さ、入ろうかぁ」

ガチャ・・・バタン

キュキュ・・・シャァァァァ

「ふぅ・・・気持ちぃ」

 

 

 

そして1時間後

「・・・あ、・・・ふぁぁぁぁ・・・あ、あれ?アスカ?

・・・お風呂かな・・・えっ!?お風呂?、って事はタオ

ル一枚でこの部屋に戻ってくるっ!?」

 

そうこう言っているうちに足音が聞こえてきた

「はぁ、良いお湯だった」

 

あ、そう言えばシンジがあたしの部屋で寝てたのよね

・・・どうしよう、起きてたら・・・まだキッチンで見ら

れるのだったら良いけど・・・何となく自分の部屋で見ら

れると何だか恥ずかしいかも・・・・シンジまだ寝ててよ

 

「ど、どうしよう・・・あ、あ、あ、もう、入ってくる・

・・ね、寝たふりをしとこうっ!」

 

す〜〜・・・す〜〜〜

アスカは一度少しだけフスマを開けシンジが眠っているの

を確認して、もう一度最後までフスマを開ける

「よし、まだ寝てるわね」

 

起きてるよ・・・アスカ、僕は起きてるよ、どうしよう

シュッ・・・

スゥゥ・・・

(きぬずれの音)

 

しかし、何事も無くアスカは着替え終わった、

因みにシンジはアスカの着替えを覗かなかった。

で、白々しくシンジは起きる真似をして起きだした。

「う〜〜ん・・・へぁ?あ、アスカおはようっ、もうお腹

は大丈夫?」

「あら、良いタイミングで起きたじゃない」

「え、な、何の事?」

「え、あぁ、あたし今着替えてたのよ」

「あ、そうなんだ・・・」

アスカ・・・ごめん、僕全然起きていたんだよ

 

「そ、そうだっ、アスカ朝食を食べようか」

「あ、そうね、今なら大分お腹が痛くないから今のうちよ

ね」

そんなこんなで朝食も終わり、二人はリビングでくつろぎ

始める、しかしそんな一時も一本の電話の音で崩れさる

プルルルルプルルルル

「あ、アスカは座ってて、僕が出るよ」

と、電話を取りに行こうとしたアスカを止めるシンジ

 

ガチャ

「はい、葛城です・・・あ、リツコさん、おはようござい

ます・・・え、今からですか?・・・・あ、でも今日は少

しアスカの体調が悪いので・・・え、・・!・・は、はい

分かりました・・・」

チン

何時の間にかアスカが側におり、シンジの少し怒った様な

顔を見て優しく話しかける

「リツコ、なんて?・・・シンクロテスト?」

「うん、ごめんねアスカ、あんな事言われたらどう言い返

したらいいのか分からないよ」

「リツコ、なんて?」

「命令・・・だって」

「しょうがないわ、行きましょう」

「アスカ、大丈夫なの?」

「ええ、お蔭様で・・・シンジがお腹さすってくれたから

ね、今は大分快調よ」

「うん、でも又辛くなったら僕に言ってね、まあ僕は生理

の事はよく分からないけどね」

「へへ、ありがとう」

 

シンジって優しいな、あたしは今までシンジの優しさに気

づかなかったのよね・・・こんなに心配してくれるのって

ぇのも悪くないわね、嬉しいちゃんとあたしの事見てくれ

てる・・・

「さ、行きましょうっ」

「うんっ」

 

んで、あたし達は着るもの着て本部までゆっくりと向かっ

た・・・今日の陽射しは何となく暖かで痛いお腹を暖めて

くれる。(何時もは暑い位、陽射しがキツイ)

「うん、今日は気持ち良いわね」

「そうだね、風も気持ち良いから、今日みたいな日は大好

きだな・・・」

 

と、僕等はこんなホノボノとしたお話しで盛り上がってい

た・・・昔のアスカならこんな話し一つも罵倒で返された

ろうな・・・アスカはなんか優しくなった・・・

 

そしてシンジとアスカはネルフ本部に到着した

第七管制室

テストプラグに搭乗してテストを行う三人

「・・・あら、アスカのシンクロ率が少し上がってるわ」

「本当?アスカに言ってあげなきゃねっ」

「そうね、ちゃんと言ってあげなさいよ、ミサト」

ミサトは回線をアスカに繋ぎ、作り笑い声で伝える

「フッフ〜ン、アッスカ〜、シンクロ率が19%よっ」

「え、本当っ!?ミサトッ!」

「ええ、本当よん♪」

「アスカ、よかったねっ!」

「ええ、ありがとっ、シンジっ!」

 

この、二人の楽しいやり取りを見ていた、リツコ・ミサト

は驚きの声をあげる

「「えっ?!」」

「な、何かあったの?ミサト?」

「え、し、知らないわよっ、そんな物に構ってられないわ

よ・・・今のわたしは・・・」

「・・・そうだったわね・・・ごめんなさい」

「げ、あんたからあやまるなんて明日は大雨かしら?」

「・・・」

 

そしてリツコは気を取り直して三人に伝える

「もう良いわよ、みんな上がっても良いわよ」

三人が管制室に集まり詳細なシンクロ率の発表を言い聞か

される、で、話しも終わり自由行動を許される三人だった

「それから、アスカ、今日はごめんなさい・・・体調が悪

いのに無理や・・・」

しかし、そんなリツコの謝罪もシンジによって壊された

「行くよ、アスカ」

「え?ええ?シンジど、どうしたのっ?」

シンジはアスカの手を握りだし歩き出した・・・

「シンジ君に嫌われたな・・・私」

 

廊下

今日のシンジはリツコの事が許せなかった、生理で苦しむ

アスカに負担を掛けさせ無理に本部に来させ

「いまさら、謝っても遅いよ・・・」

「シンジがあたしの事を心配してくれるのは嬉しいけど・

・・やっぱりしょうがないわよ」

「・・・うん・・・僕もやりすぎた・・・明日リツコさん

に謝るよ・・・」

 

シンジとアスカは着替えも終え、自分等の家に戻って行っ

た、空は何となく曇空で二人に嫌な事を予感させられる

「・・・空が曇ってるね・・・」

「ええ、明日は雨かな・・・雨はきらいね、濡れるから」

「そうそう、洗濯物もなかなか乾かないからね」

「「・・・・・」」

「なんだか嫌な予感がするわ・・・」

「僕も何か・・・嫌な感じがする」

 

 

第参話おわり

次回

−あたしはあたしの大切なあなたを奪う−

 


 

今回も小説をお読みになってくださいまして

ありがとうございます

これからドンドンと・・・なんて言ったら良いか分からな

いけど、題名で良いのかな?の文字を増やしていくので読

みにくいかもしれないけど、ゆるしてくださいね

 

 

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流れる音の流れ星さん

 

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