副鼻腔炎


 ●慢性副鼻腔炎って何?

 副鼻腔というのは、ほっぺたや、眼と眼の間や、おでこのまん中や、眉間の奥にある空洞のことです。何の為にあるのかは色々な説がありますが、はっきり分かっていません。ここは正常では空洞になっているのですが、カゼなどで鼻炎を起こすと、この空洞にも炎症が起こります。炎症がおこると、痛みがあったり、腫れたり、分泌物(鼻水ですね)が出たりします。この時期を急性副鼻腔炎と言います。普通これらの症状は自分の治癒力でカゼが治るのに前後して治ってしまうのですが、さまざまな理由で治癒が遷延化してしまい、症状が持続したり固定してしまったものを慢性副鼻腔炎と言います。

 ●小児副鼻腔炎って何?

 小児から学童期にかけて持続した副鼻腔炎を起こすもので、成人の慢性副鼻腔炎と異なり、積極的に治療を行う事で、真の意味での慢性副鼻腔炎に移行する事をくい止めることが出来得る副鼻腔炎です。本当に母親の皆さんには良く聞いて頂きたいと思う疾患のひとつです。もちろん自然治癒も期待できますが、治療を続けておく方が安全です。やるだけやってダメならあきらめもつきますものね。 

1.原因は?

 カゼなどの先行感染後にしっかりした治療をしなかった事、免疫の不十分な事、鼻汁をためたままにしておくと鼻汁が粘膜を障害する事、アデノイドや鼻炎(アレルギー性も含む)による鼻粘膜の腫れなどで鼻腔や副鼻腔の換気障害を起こす事、鼻腔の発育の不十分な事など色々あり、これらの原因がいくつも重なって起きていると考えられます。

2.どんな治療するの?

1.できるだけ鼻水をためたままにしない様に、鼻をかむ様に指導します。小さくて出来ない子供さんは吸引除去してあげる事が大事です(お母さんが口で吸ったり、専用の吸引チューブが耳鼻科にあります)
  
2.鼻の腫れをとって、排膿と換気を促します。1日に最低一度はこれを行うと良いと思います。毎日耳鼻科でやってもらうのがベストでしょうが、出来ない場合は点鼻薬(子供さんにはうすめて処方します)を使い、つまりがとれた時に、鼻をかんだり、吸引したりします。

3.可能なら鼻洗浄も良い方法ですが、家で行うと耳に水が入ってしまう事があり、耳鼻科にまかせた方が無難です。

4.鼻閉がとれた状態で、耳鼻科ではネブライザーと言う器械を使って、霧状の薬液(抗生物質や消炎剤)を鼻や副鼻腔(副鼻腔に実際にはあまり入らないとも言われていますが、鼻腔に作用させる事で、2次的に副鼻腔の排膿を促す事が期待できます)に噴霧します。

5.抗生物質と消炎剤や、粘っこい鼻水を排出させやすくする薬を服用します。特に抗生物質については、現在マクロライドと呼ばれる系統の薬を平常の半分以下の量で、数カ月にわたって服用する方法が認められてきており、好成績が期待できる良い方法です。またアレルギーが関与している場合は抗アレルギー剤も投与します。

3.いつまで治療続けるの?

 程度にもよりますが、私の判断としては、鼻洗浄にて膿汁を認めなくなり、鼻腔の所見も良好で、副鼻腔のレントゲン写真で陰影が認められなくなる事が治癒判定の条件だと思っています。しかし一度この副鼻腔炎にかかった場合は、カゼをひく度に副鼻腔に陰影を認めやすくなり、やはり小学校高学年(10才以上)になるまでは慎重に経過観察したいものです。また一般にアレルギー性鼻炎を合併している場合は治癒が難しく、小学校の間は週に1度でも鼻の管理をしたほうが良いと思っています。

4.プールは入っていいの?

 耳鼻科の病気とプールとは相性が良くないと思っています。水に罪はないのですが、塩素消毒(カルキ)に問題がある様で、特に営業プールはバイ菌の繁殖に人一倍神経を使いますので、非常に高い塩素濃度にしてあることがあると聞いたことがあります。室内プールなど行くと、眼が痛くなることがありますよね。この水が鼻に入ると刺激が強く、アレルギー性鼻炎の人はまず必ずと言ってよいほど悪化します。黄色い鼻水が出ている様な時は論外ですが、どうしても泳がなくてはならないときは、出来るだけ鼻に水が入らない様にする事と、プール後は鼻洗浄とネブライザーを行う様に私は勧めています。

 ●慢性副鼻腔炎と手術

 最近は慢性副鼻腔炎の重症なものは減ってきています。昔は歯茎にメスを入れて、いわゆる「ちくのう」の手術が盛んに行われていましたが、現在は鼻の穴から器具を入れて手術するのが一般的になりました。内視鏡とビデオカメラの進歩で鼻の奥を大きな画面で見ながら行う方法も取り入れられる様になりました。しかし重症なものや、癌の疑いがあるものは、やはり以前からの方法が必要です。
 
 子供さんの場合は成長の過程にありますから、手術は基本的には行いませんが、大きなポリープ(鼻茸)などは、全身麻酔で取ってあげる必要があります。



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