アデノイド(咽頭扁桃)とは、鼻の奥(のどちんこの裏側の背中側)にあって、普通は見えません(見えるのは扁桃腺です)。これが大きくなったのを、正式にはアデノイド増殖症と呼びますが、我々専門家でも略してアデノイドと呼んだりします。アデノイドが大きいと(5、6才ころが最も大きい時期です)色々な障害をおこします。
- 1.いつも鼻がつまり、口で呼吸する様になります。口を開けたままになりやすいので、しまりのない顔?になり、お利口さんにみられませんし、また歯並びが悪くなるとも言われています。
- 2.鼻で呼吸ができないので、鼻炎や副鼻腔炎の原因になり、いびきの原因になります。また換気が十分にとれないと、いつもボーッとしたり、集中力のない子供さんになると言われています。
- 3.アデノイドが耳管(耳と鼻の奥を連絡しているトンネル)の入り口を塞いでしまったり、その機能を妨げたりすると、滲出性中耳炎や難聴の原因になります。
- 4.扁桃肥大と合併する事が多く、呼吸障害から心臓に悪影響を及ぼしたり、睡眠時に無呼吸を起こしたり、突然死の原因になったりします。
程度が軽いものは、経過をみながら成長を待つのが良いと思います。しかし呼吸障害が強かったり、無呼吸症候群を認める場合は、手術を考えるべきではないでしょうか。