Q:遠距離通勤をしています。平日は高速通勤で通勤手当が出ます。しかし,休日の部活動には出ません。高速道路を利用すると自己負担です。どうにかなりませんか。 |
A:以前から課題となっている問題です。休日の部活動は勤務とはなりません。そのため手当は,特殊勤務手当として3時間で2,700円が支給されています。これは業務の特殊性に応じて出るものです。休日の部活動指導は勤務ではないので通勤手当対象ではありません。今までも県教委に対して対応を要求してきましたが,前向きな回答はありません。一方で,部活動をどうしていくのかの議論もあるところですが,生徒の活動を保障してやりたい一心で,遠距離であるにも関わらず休日の指導にあたっている顧問が,自分の持ち出しでやりくりすることはどうにかすべきと考えます。引き続き県教委に要求していきます。
Q:通勤距離が50km以内ですが通勤の時間が随分かかります。高速道路を利用すると通勤時間が短縮され大変便利なのですが,高速通勤は認められないのでしょうか。 |
A:高速道路利用の通勤が認められる可能性があります。高速道路利用の条件は,距離だけでなく時間もあります。通勤距離が50km未満であっても片道の通勤時間が1時間30分以上かかる場合,高速道路を利用することによって20分以上の短縮効果あれば認められる可能性があります。往路又は復路のいずれか一方のみの利用認定も可能です。そして,その認定の時間帯は通常の通勤時間帯です。(組合員のしおりp.21参照)
個別の案件になりますので,通勤距離が50km未満の方も最初からあきらめることなく,まずは高教組に問い合わせをしてみてください。
Q:教員免許更新が延期できることになりましたが,申請の書類が必要で,その用紙には3,010円分の県収入印紙が必要です。自己都合でなくコロナのために延期するのに3,010円が必要なのはおかしくありませんか。 |
A:ご存じのように,今年度末教員免許更新修了確認期限を迎える人たちは2年間延期が可能になりました。コロナ禍のなか,予定されていた講習が中止になる例もあると聞いています。岡山県は,県教委が一方的に夏季休業を決めたこともあり,延期の申請に費用が必要なことに納得がいかないのは当然でしょう。岡山高教組にもこういったお声は複数届いており,早速県に対して問合せをおこなって要望を伝えています。
そもそも教員免許更新制に問題があります。現職教員に大きな時間的,金銭的負担を押し付けるこの制度はやめるという選択をすべきです。引き続き,教員免許更新制廃止のとりくみをすすめていきます。
Q:支援学校で介助員として勤務しています。今年から会計年度任用職員制度に移行し,ボーナスも出るようになりました。コロナ禍のため,4月5月の勤務を休むよう言われ勤務実績がほとんどありません。この時期予定されていた勤務は7月,8月に移ります。そのため,6月のボーナスが減額されました。12月のボーナスが増えるわけでもありません。 |
A:今年4月から始まった会計年度任用職員制度では,週15.5時間以上の勤務実績がある人にはボーナスが支給されることになりましたが,ボーナスの算定期間の勤務実績が少ない場合,減額されることになっています。今回はこの制度に当てはまるわけですが,勤務実績が少なくなった原因はコロナ禍による学校の都合です。その結果,6月のボーナスは勤務実績が不足,12月のボーナスは実績が十分なためこれ以上増やせない,減額だけがくなる、実施されました。勤務実績がな,もしくは減る原因は本人都合しか想定されていないと考えられます。今回のようなコロナ禍による事態は別の判断をすべきで,教職員に賃金の減額を押し付けてはならないと考えます。現時点では,県教委は制度通りの対応しかしていませんが,引き続き粘り強く制度の運用変更をもとめていきます。
これってどうなの?「勤務時間の割振り」
教職員の長時間過密労働の異常さがメディアでも扱われるようになり,教職員自身にとっても自らの勤務条件について学び,見つめ直す必要性が高まっています。高教組は機関紙を活用し,労働講座「知っとく?ナットク!」を不定期発信していくこととしました。今回は「勤務時間の割振り」についてお話しします。
「勤務時間の割振り」
まず,「勤務時間」とは、教職員が任命権者の指揮監督の下で職務に専念することが義務付けられている時間のことです。任命権者とは「教育委員会」ですが,各学校で事情が異なるので,勤務時間の割振り(変更)や週休日の指定・振替は,校長がおこなうようになっています。
「勤務時間の割振り」とは,「4週間の単位期間(高教組HPに掲載)」において,正規の勤務時間が平均して1週間あたり38時間45分になるよう勤務時間を設定することです。
各学校の始業時間から終業時間まで(休憩時間を除く)の時間が校長によって割振られています。時として,定時前のあいさつ指導や特別指導の「申し渡し」など,また,定時後の職員会議の延長や入試の採点業務など,時間外業務が生じ,それらを校長が命じた勤務と認めた場合に「割振り変更」がおこなわれます。(定時後の部活動は,校長は命じていないという理由のもと,割振り対象となっていません)
修学旅行での時間外業務
折しも各学校では修学旅行が実施される時期です。修学旅行で時間外業務が立て続けにあったのに,割振り期間が終わるため,修学旅行で余計に働いた部分を休めないこと,ありませんか。割振り変更ができる期間は4週間ごとの単位のため,行事に向かって忙しさが増す学校現場では,そもそも活用しにくいという側面があります。割振り先を確保できない教職員の「自己責任」のように見えますが,管理職が割振り先を事前に必ず確保しなければならないのが原則です。
高教組の調べによると,修学旅行で生じた時間外業務に対して,勤務時間の割振りをおこなっている学校が多数あります(特殊業務手当(5,100円)と両立します)。1日につき4時間程度を割振り対象と認めている学校もあれば,1日につき1時間程度の学校もあるなど,それぞれです。修学旅行の時間外のそれぞれの業務について,修学旅行の行程表をもとに,「定時前(定時後)のこの時間は,割振り対象か,そうでないか」を管理職に確認する必要があります。多くの時間を時間外勤務と認めると,管理職自身に割り振る責任が生じるため,極力割振り時間を少なくしたいという思惑がはたらくかもしれません。「割振り対象でない」という回答に対しては,その時間帯に教員は引率業務から解放される時間であることを確認するとよいでしょう。
平均労働時間設定の意味
ところで,なぜ4週間の割振り期間の中で,1週間の平均労働時間が38時間45分にすることになっているのでしょうか。この4週間という単位で割振り先を制限しているのは,極端なほど集中的に働かせることにブレーキをかけている側面があります。「2月・3月の入試の時期は,深夜まで働け。8月ごろに休ませてやる」…というようなことを防ぐために,4週間の単位で労働時間の増減を調整することを定めているのです。そもそも超過勤務が常態化し,4週間という短い期間内で割振り先が「確保」できると言われてもできない学校現場ではイメージしにくいですが,労働者がこれまでのたたかいで勝ち取ってきたもののひとつです。
知っているようで,知る機会のないのが教職員の労働条件です。今後もニーズに応じて発信していきます。「このことについて説明してほしい」など,ご意見ご要望あれば,本部までお知らせください。
「昇給確認を必ずしましょう!」
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