2024年度
岡山高教組は2024年6月8日、第82回定期大会を開催し、今年度の運動方針を確立しました。
大会宣言と特別決議「長時間労働に歯止めをかけ、教職員定数を抜本的に改善し、教職員不足を解消して、ゆとりと希望のある学校を実現しよう」を採択しました。
6月10日 第81回定期大会 開催
◆互いのしんどさを語り、聞き合う 組合のあたたかさあふれる定期大会
6月10日(土)、第81回定期大会が4年ぶりに1日日程で開催されました。代議員数はのべ96名(うちオンライン20)、執行委員等を合わせると108名が参加し、あたたかく活気のある大会になりました。来賓として、全教から波岡知朗中央執行副委員長、県労会議から西崎直人議長、顧問弁護士の則武透さんをお迎えし、ごあいさつをいただきました。
◆目が離せない「給与制度のアップデート」
村田委員長は、給特法の見直しの中で、残業代の支給については現場の先生方からも様々な懸念が出されているが「4%で定額働かせ放題」と言われる現行の給特法体制に、持続可能性はない。運動を強めていこうと呼びかけました。
人事院は「給与制度のアップデート」と称して、定年までの賃金カーブをなだらかにするとしているが、現在の賃金のピークが抑制されるようなことがあってはならないと訴えました。
〔写真は挨拶する村田委員長〕
◆今がチャンス!
則武弁護士からは、労働基準法第37条に則って教員にも残業代を支払うよう求めるべきだとの提案がありました。フィンランドの教員は4時に帰る。それでも教育水準は高い。学校は問題を抱え込みがちだが、広く外に問いかけていくことが大切で、今、この働き方を変えていくチャンスだと、あいさつをいただきました。
◆「再任用はせめて定年引上げと同水準に」烏城分会からの修正案可決
今年度の活動方針等の提案を受けて、烏城分会から再任用の待遇改善方針を補強する修正案が提出され、可決されました。
〔写真は提案する川野書記長〕
少人数でのグループ討議の後、各グループから様々に発言がありました。
・再任用職員は定年延長の職員よりもさらに低い待遇になっているのは解消を!
・ICT、得意な人は機器管理や教える側としての負担を負わされ、苦手な人は忙しそうな同僚にたずねることの心苦しさを感じている。
・1人1台端末は公費で用意してほしい。
・教員でなくてもできる仕事は外注してほしい。
・修学旅行の入場料自己負担はおかしい。
・部活動の引率で多額の立て替え払いは大変。
◆数字でなく生徒が主役
竹内副委員長は閉会あいさつで、統廃合問題に触れ、80人を切ったからといって、そこにいる70人の生徒にとっては必要で大切な学校。それを数字で切り捨ててはいけないと訴えました。
〔写真は閉会挨拶する竹内副委員長〕
第81回 定期大会 参加者感想
▶自分たちの労働環境について理解し、「駄目なものは駄目」と声を上げることはやはり大切。組合の意義もそこにあると再認識しました。【金田 徹さん/勝山】
▶4年ぶりのリアル開催に参加し、多くの組合員にお会いすることができて、やはり直接に顔を合わせることの大切さに気づくことができました。【水野 淑子さん/玉野商工】
▶久しぶりに会う先生もおられ、知己との交流を深められたことは、また明日から働こうという意欲になった。
▶定年を引き上げるより、若い人材を増やすことが本来のことだと思います。
▶朝から疲れが取れず、正直、本日の定期大会は心が重くなる行事でしたが、久しぶりに多くの先生の生の声を聞き、自分たち労働者としての立場を確認することができ、思った以上に元気が出てきました。何事も行動してみないと分かりませんね。来週からまた頑張ります。
高教組も従来から,「このような職場に若者が魅力を感じるか」と,喫緊の課題として多忙解消を求めてきました。これほどまでに募集に苦労するようになった一因は,間違いなく学校現場の「過剰負担」,ゆき過ぎた多忙です。教員免許更新制の悪影響もあって,「代員が見つからない」ケースは増加傾向です。病育休や育児短時間勤務の代員がいまや非常勤による時間単位勤務をつなぎ合わせることでまかなわれる状況が生まれています。はみ出した校務分掌,部活動などの業務負担は,ただでさえ手一杯の他の教員に上乗せされ,疲弊しきっています。
時間外勤務の上限規制ができたものの,「45時間を超えるな」とのプレッシャーが強くなっただけで負担減の実感は乏しいままです。定時退庁を守るために前日の超過勤務や持ち帰りが余儀なくされる中,「1年単位の変形労働時間制」が導入されれば,ますます見かけ上の時間外勤務がへり,人員増や抜本的な業務見直しの議論は後退することが予想されます。県教委は代員確保等に力を尽くしていますが,長年にわたり「定数内講師を解消し,採用数を増やせ」「教員免許更新制廃止を国に対して強くもとめよ」「県主導の事業を抜本的にみなおせ」という高教組の主張に背を向けてきた責任もあります。まだできることがあるのは,我々現場の教職員の工夫,心がけだけではないはずです。大会では,現場の実態や願いとともに,県に対して提案したい具体策についても持ち寄っていただければと思います。中教審答申の「教師一人ひとりのとりくみや姿勢で解決できるものではない」、教育委員会や管理職が「権限と責任を果たすことが不可欠」を反映させ、実質的な改善策を求めるとりくみをすすめていきましょう。
コロナ禍のなかで,組合の真価と役割,重要性が浮き彫りにされました。当事者の声こそが当局を動かすこと,そのためにまずは自分の職場に「つながる場所」があること。一人の困りごとや学校の課題をあきらめず,分会と本部とが連携することで条件整備等の前進につなげています。多忙で自分のことさえ後回しなる中,分会活動も下火になりがちですが,分会の存在そのものが「希望のともしび」です。苦しい時こそ,「どうにかしたい」との気持ちは強くなります。今大会では、「私たちの労働条件改善は子どもたちの教育条件改善につながる」ことをあらためて確認するとともに、多くの代議員の発言によって方針を固めたいと思います。一人ひとりのつぶやきを組合の声にして,交渉での前進を勝ち取りましょう。未経験の方もこの機会にぜひご参加ください。
職場の悩みを声にして,本部とともに当局に届けよう -2021年度 分会長・評議員会議(春)
4月10日(土),分会長・評議員会議を開催し,「分会活動のヒント」をもとに,年間の組合活動のポイントなどを確認しました。冒頭,村田委員長は分会の役割について,「各学校で困っている人はいないか,ハラスメントはないか,とアンテナを張っていただくことが一番大切。去年も,現場からの声を受けて直ちに申し入れをしたことで要求が実現した」と述べ,分会と本部が一緒に動くことで,要求は実現することを強調しました。
分会交流では,組合費改定とすくらむの移行に関する予備提案について意見が交わされました。執行部は,再任用組合費の引上げについては再考をとの意見を踏まえ,今後検討の上修正したものを6月の定期大会に提案する,としました。
この春,過半数分会となった備前緑陽からは,新加入促進の取り組みについて前向きな意見が述べられました。「組合員20名のうち11名が20~30代。組合員を増やすなら,一生懸命働いている信頼の厚い人が入っていることを話題にし,『組合の人は仕事に対して誠実で配慮のできる人』という認識になれば加入が進む」と発言しました。
今年も退職者,中途脱退者に加え,頼りにしていた多くの組合員が管理職として組合から卒業して行かれました。組合に理解のある管理職が増えるのは心強い面もありますが,なんといっても仲間をふやして組合を大きくすることが重要です。教職員の過半数を組合員に迎えるべく,すべての人を対象に声掛けをしていきましょう。
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参加者感想・声かけについての意見
・辞令交付式の日,「名前を書くだけでよい」と繰り返され,宗教のように感じて加入しなかったという若者がいる。組合の意義を丁寧に説明することが大切。
・組合の集まりに参加すると元気をもらえるということを再確認した。新採用から組合員であることが数少ない自慢のひとつ。
・校長へ分会挨拶に行くことで,管理職の意識が変わるとのこと。今年度はぜひ実行したい。